いちばんの星
「何だ…言いたい事があるんなら早く言え!」
ヴェルヌにそう言われるとザランは重い口を開いた。
「興味本位で側に置く分には構いません。しかし…相手は使用人。くれぐれも本気にはなられませんように…」――…
…――この俺が本気になんて…
馬鹿馬鹿しいと言ったように笑うヴェルヌにスティークは声をかけた。
「どうした?」
「なんでもないさ…」
そう言うとヴェルヌは再びペンを持つと書類にサインをし始めた。
「なんかだか…あの水色の髪と瞳を見てると妙に落ち着くんだよな…」
「水色…?」
過剰な反応を見せるスティークにヴェルヌは疑問の色を浮かばせる。
「どうした?スティーク…」
「もしかして…その使用人の名前ってミュリエルか?」
「なんで知ってるんだ」と驚くヴェルヌをよそに、スティークの頭の中でバラバラだったパズルがピッタリと繋がった。
そういう事か…
そしてスティークは、ヴェルヌに告げた…
「彼女…今ひどい嫌がらせにあってるぞ」