いちばんの星
第四章 愛しているから
うごめく陰謀
――――――
「ん…」
窓から射し込む光と鳥のさえずりに、ミュリエルはまだぼんやりとする瞼を開けた。
そのまま寝返りを打ち、いつものように起き上がろうとするミュリエルは、ぐいと腕を掴まれた事で再び布団の中へと戻される。
「おはよう」
ミュリエルの瞳に映ったのは、今にも唇が触れてしまいそうなくらいの距離で微笑むヴェルヌの顔。
寝起きだからか、心なしか色気を帯びたヴェルヌの顔にミュリエルは一瞬で頬を真っ赤に染めた。
ヴェルヌは、そんなミュリエルの髪を優しくかきあげると額に軽くキスをして再び彼女を抱きしめた。
直接感じるヴェルヌの温もりに、ミュリエルは昨日の事が夢ではないのだと実感しヴェルヌの腕の中で幸せそうに微笑む。
目の前にヴェルヌがいる――、それだけでこんなにも胸がジンと熱くなる。
「ミュリエル…」
ヴェルヌはそんなミュリエルの唇に優しくキスをすると、そのままミュリエルに馬乗りになりそっと首筋にも唇を落とした。
ミュリエルは恥ずかしさのあまりギュッと目を瞑ったが、素直にヴェルヌの行為を受け入れる。
ヴェルヌの手が、ミュリエルの着ていた服の裾に触れたとき――。
「おはようございます」
勢いよく扉が開き、満面の笑みを浮かべたエルトが入ってきた。