いちばんの星


「あなた…ヴェルヌ様とはどういう関係なの?」


ヴェルヌと言う言葉に、ミュリエルがはっと顔を上げると目に映ったのはリヴィアの悲しそうな顔だった。



「あなたがヴェルヌ様をどう思っているか…同じ女だから見てればわかるわ…
でもね…」



泣きそうな瞳でリヴィアを見るミュリエルに、リヴィアははっきりと告げた。



「あなたとヴェルヌ様は絶対に結ばれない。
なぜなら…あなたはただの使用人にすぎないのだから…」



リヴィアの言葉を聞いた瞬間、ミュリエルの瞳から大粒の涙がこぼれ落ちた。



俯き、体を小刻みにふるわせているミュリエルにリヴィアは続けた。



「大臣も、あなた達の事をよく思っていない…このままじゃヴェルヌ様の立場がどんどん悪くなるの。だから…」



静かな中庭に、リヴィアの美しい声が響きわたった。



「あなたからヴェルヌ様を振りなさい」



リヴィアの言葉に、ミュリエルは涙が止まらなかった。
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