いちばんの星
「どうした?何があったんだ?」
だって昨日は…
尋ねるヴェルヌの顔を見ずに、ミュリエルは答えた。
「何も…ありません。ただ…もう疲れたんですっ…」
ヴェルヌは再びミュリエルを抱きしめた。
やっと見つけた愛する人。
決して離すまいと、ヴェルヌの腕に力が入る。
しかし…
「離してッ!」
ヴェルヌの腕の中でミュリエルが大声で叫んだ。
その瞬間。ヴェルヌの腕の力が緩み、ミュリエルは思い切りヴェルヌを突き飛ばした。
「もう…やめて」
「ミュリエル…」
フラフラとふらつきながら、それでもミュリエルは真っ直ぐにヴェルヌを見た。