いちばんの星


―――――


ガシャーン…



酔っ払った男が、机の上の物を腕で床に落とす。



部屋の端では、少女が小さくなりカタカタと震えていた。



(誰か助けてッ…お母さん…)



震える少女は必死に助けを扱いたが、もちろんその場には誰も来なかった。



「くそ…もう酒がねぇ…」



そう言うと、男はチラリと部屋の端で震える少女を見た。



男の視線に気づいた少女はビクリと体を震わせるが、凍りついたように体が動かない。



ニヤリと笑うと、男はズボンのベルトに手をかけながら、ゆっくりと少女に近づく…



(やめて…)



(やめて…………)



(お父さんッ…………!)

――――――
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