いちばんの星
消せない思い
――――――
太陽が沈み、月が顔を出す頃。
街は、日中とは違い夜の顔を見せていた。
チカチカと光る電球が、まるで昼間のように街を明るく照らしていた。
「いらっしゃあい」
「ちょっとお兄さん、うちの店…寄ってかない?」
ここは酒場や娼婦などがいる店が立ち並ぶ賑やかな通り。
その中でもひときわ賑わっている店の中のステージで踊り子の衣装を身にまとったリヴィアが軽やかに舞っていた。
「リヴィアちゃあん」
「こっち向いてくれぇ」
酒に酔った男たちが、狂ったように次々にリヴィアに向かって叫ぶ。
そんな店で、ミュリエルは忙しく酒を運んでいた。
「おいッ、次はこれを頼むぞ!」
「はいっ…」
ライトを一杯に浴びて人々の注目を浴びるリヴィアとは対照的に、暗い所でせっせと働く自分がひどく惨めに感じた。
しかし、今のミュリエルには他に行くところはないのだ。