小さな恋の物語
ある日、男の子はお昼近くになっても現れませんでした。
女の子は歌いながら、男の子が来るのを待ちました。
男の子は太陽が傾きかける頃になっても現れません。
それでも女の子は待ちました。
薄暗くなってきた頃、男の子が湖に現れました。
女の子は笑顔で駆け寄ります。
男の子は初めて会った日のようなとてもとても、悲しい顔をしていました。
『どうしたの?』
女の子が聞きます。
男の子は俯いて今にも泣いてしまいそうです。
『大丈夫?』
女の子は心配になり、問いかけます。