小さな恋の物語
『もう..会えないの?』
女の子は大粒の涙をこぼします。
『..もう...会えないの? あたし..あなたがいないと...もう..』
冷たい風が2人の間を吹き抜けました。
女の子は泣き続けています。
男の子は女の子の頬を両手で包み、女の子のおでこに自分のおでこをあて微笑みながら言いました。
「大丈夫..。僕、誰も文句言えないぐらい強くなるから。誰も文句言えないぐらい偉くなる。誰よりも強い王になって、きっと君を迎えにくる。絶対に会いに来るから。だから...だから泣かないで..。僕は、君の笑っている顔が大好きなんだ」
日が落ちた空には綺麗な月が浮かんでいます。
月明かりに包まれた花畑の中、男の子は女の子の頬にキスをしました。
広い広い空に1つの星が流れました。
「絶対に、迎えにくるから」