Feather of the Music

 Side-first graders...

自販から戻った3人は音楽室の異変に気づいた。前より少し部屋の温度が熱い気がする。部屋を見回すと、誰かが倒れていた。
「アレ、貴之先輩じゃない・・・?」
気づいたのは上村麗奈だった。麗奈は、少し天然でマイペースなやつだ。
「大丈夫ですか・・・?ねぇ起きないよ!どうしよう・・・」
先輩は揺すっても呼びかけても起きなかった。すると、何処からか声がした。
「・・・そんなことしても起きないわ、きっと。」
窓の外を見ながら誰かがそんな言葉を言った。打楽器の人以外は皆いないはずだった。
「あなたは、誰・・・?」
「私は元は猫のマスコット。貴方たちに素敵な名前を貰った猫のマスコットよ。本当は人間だったんだけど。」
猫のマスコットとは、先輩が持ってきた2匹のかわいい猫のマスコットのことだ。一つは白色の「ユキちゃん」、もう一つは茶色のぶちの「ゴンちゃん」だ。
「何で人間に・・・!?」
「分からないわ。突然意識がなくなって、気づいたらこの姿になっていたの。あっちも同じよ。」
「ゴンちゃん!?」
「よう。オレも戻った。」
「先輩が起きないってどうゆうこと・・・?」
「多分、あの人が入ってきたときに起きた何かが原因だろう。寝てたから正直よく分からなかったがな。でもものすごい風が吹いたぜ。」
「そんな・・・」
何かが分からなければどうしようもない。そのうちに意識が戻るだろうと考え、とりあえず保健室まで先輩を運んだ。
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