小さなチワワの大きな秘密
謝るなって?
キィ。
私が屋上から校舎へ入ると、すぐの窓に由優は手を掛けていた。
私は階段を降りる。
「何してるの?」
由優が振り向く。
「…あ、」
するとそのまま後ろに、フ、と倒れようとする。
「!危な…」
私は驚いて駆け寄り、彼の背中を支える。
「…い?」
(この人…軽い)
由優は私の支えの存在を知ると、完全に力を抜いてしまう。
私はそれに驚いて由優を抱えたまま座り込んだ。
(…やっぱりこの人病気だ)
理解というより確信、そんな感じだった。
「保健室何処だろう…」
私はまた空を見上げた。