小さなチワワの大きな秘密
二、 隠れオオカミさん
イジメられっこ。
次の日。
「おは…」
麻耶を見付けて、私は声を掛けようとしたけれど、それは叶わなかった。
「何で毎日毎日学校来んの?ウザいんだけどな」
麻耶の声だった。
(え?)
「あんだけ言ってるのに懲りないよねぇ」
梨沙。
「…ねぇ?」
「!映依」
「おはよ」
「おはよう…」
相手は鉢月さんだった。
(なんだ)
イジめているのは彼女たちなのか。
麻耶たちは面倒そうに顔を見合わせた。
「…映依?」
こんなのダメだ。
「こんな…イジ──」
「三崎」
腕を引っ張られる。
「ちょっ…」
由優だった。