小さなチワワの大きな秘密
「君は俺を勘違いしてるよ」
(勘違い?)
私は、一目見たときに、
チワワのよう。
そう思った。
病弱な男の子。
チワワみたいな男の子。
それに代わりは無いはず。
「俺を例えるなら?」
手に掛けられた力がまた強くなる。
(逃げられない)
「…小さい犬」
(恥ずかしい)
口に出すと恥ずかしかった。
「そ、…でも俺自身はそうだな…」
由優が少し視線を上に流す。
「狼、とか」
(オオカミ?)