小さなチワワの大きな秘密
地図の欠片
「…あ」
(鉢月さん。)
気まずそうに目をそらされる。
(絶対助けて欲しい筈だよね)
でも、
(私はそこまで…)
いい奴じゃない。
鉢月さんの足が屋上へ向かう。
私はそれを追った。
「来ないで」
拒絶。
私は少なからず鉢月さんに嫌われ、拒絶されている。
「私も丁度屋上に行こうとしてたの」
我ながら微妙な言い訳だ。
「…私と一緒に居たら消されるよ」
「今までそんなことあった?」
鉢月さんの目が戸惑う。
「ならいいじゃん。起こらなきゃ判らないよ」
鉢月さんは目を細めた。
「変なひと」
(変人、か…。ま、いっか)