小さなチワワの大きな秘密

基本属性お節介?


放課後のことだった。


教室には誰も居なくて、ただ私が一人、ロッカーから荷物を取り出していた。

教室の扉が開く。

「!」

「…!?瑞、穂?」

そう、瑞穂だった。

髪の毛がボサボサで、制服が汚れている。

(ベタなイジメだなぁ…)


「大丈夫!?」

私が駆け寄ろうとすると、瑞穂は椅子を床に叩き付けて大きな音を立てた。

「来ないで!」


音と、瑞穂の大きな声に怯んで、私はその場に立ち尽くした。

「お願いだから心配しないで…」

「でも」

瑞穂が私を睨みつける。

「どうせ同情しながらも私の味方なんてしてくれないんでしょ!?」


その通りだった。

「…」

「だったらいいの。友達なんて要らないから…さよなら」

いそいそと鞄を手に瑞穂が私を置いて教室を出ようと扉に手を掛ける。


ガラッ。

「きゃ…っ」

何の前触れもなく教室の扉を開けたのは、由優。

「お節介は不幸を呼ぶ」



彼の手には、瑞穂の財布。

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