小さなチワワの大きな秘密
惨劇はここから?
二時間目の終わりのこと。
いつもより早く終わった体育から戻り、教室の扉を開けた時、
「痛…」
「え?どした?」
「足痛い…ちょっと保健室行って湿布貰ってくる!」
「うん」
麻耶は教室に消えていった。
「あれ、保健室何処…だっけ」
確か、この廊下の二番目…だった気がする。
「…ん?」
中から何やら声が聞こえてきた。
「…椎名?」
のような。
ガラッ。
扉が開く。
二人の影。
一人はいつぞやに愚痴を撒いた教師。
彼は、由優の頭を支えて抱えあげていた。
由優はそれはもうぐったりとしていて、何故保健室から出すのかが私には判らなかった。