小さなチワワの大きな秘密
そこには、口をガムテープで覆われ、ベッドの手摺に手を繋がれた瑞穂の姿があった。
「瑞穂…」
瑞穂は私から目をそらす。
私だって、見たくなかった。
嫌だった。
だって…怖い。
「何がしたいの…」
私の頬を熱いものが伝う。
素直に、悲しかった。
「何で…」
日向の手が瑞穂の制服に掛かる。
椎名は…
同じことを?
瑞穂もあんな風になっちゃうの?
「やだ…」
もう何が嫌なのか判らない。
「駄目──────!」
日向の足がこちらに向かう。
速い、
逃げられない。
もう、私は。
そう思った。