小さなチワワの大きな秘密

「さて、三崎も早く帰らないと」


「そ、そんな時間?」

「4時半だよ」

「わわ」

私は急いで布団を畳む。






「由優、帰ろう」



日向がそう声をかけると由優の目が開く。


「…先生?」


由優がかすれた声で日向を呼ぶと、日向の手が由優の髪をかきあげるように撫でた。

由優がそれに目を細める。

「やっぱり俺…先生嫌い」

「うん」

「寂しい?」

「少しな」






私は泣きそうだったけれど、隠すようにして保健室から出た。





「気を付けて」




私は小さくお辞儀をして、

扉を閉めた。






< 44 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop