小さなチワワの大きな秘密
「さて、三崎も早く帰らないと」
「そ、そんな時間?」
「4時半だよ」
「わわ」
私は急いで布団を畳む。
「由優、帰ろう」
日向がそう声をかけると由優の目が開く。
「…先生?」
由優がかすれた声で日向を呼ぶと、日向の手が由優の髪をかきあげるように撫でた。
由優がそれに目を細める。
「やっぱり俺…先生嫌い」
「うん」
「寂しい?」
「少しな」
私は泣きそうだったけれど、隠すようにして保健室から出た。
「気を付けて」
私は小さくお辞儀をして、
扉を閉めた。