小さなチワワの大きな秘密
「…ちょっと何処触ってんの」
「え?」
「言わなくていいけど!」
由優が悪戯に笑う。
「暗いこの場所が悪い」
「いや、触る君が悪い」
「三崎がウサギさんなのが悪い」
キリがない。
私は肩をすくめて由優の手を払った。
「えー、死ぬ」
「はい?」
「狼だって寂しいと死んじゃう」
くてん、と私の肩に頭を乗せて由優は目を瞑る。
どうやら劇を見る気はさらさら無いようで。
「もう…」