小さなチワワの大きな秘密
放課後。
「一緒に帰らない?」
この誘いは迷いながらも断って、私は学校を探検することにした。
前の学校とそうは変わらないけれど、やっぱり違くて。
(…やっぱり寂しい)
いつの間にか私は屋上のアスファルトを踏んでいた。
(屋上?)
前の学校でも、よくあった。
ぼうっとしていたら、いつの間にか屋上で空を眺めていた、とか。
「──…曇ってるし」
何とムードに欠ける。
(寂しいなぁ)
「何で転校なんか…」
そう考えたら何だか悲しくなってきて、悔しくなってきて、涙が滲んだ。
視界が揺れる。
トン。
「…んっ」
踵に何か固いものが勢いをつけて当たる。
「…ラジコン?」
だった。