小さなチワワの大きな秘密

放課後。

「一緒に帰らない?」

この誘いは迷いながらも断って、私は学校を探検することにした。

前の学校とそうは変わらないけれど、やっぱり違くて。

(…やっぱり寂しい)

いつの間にか私は屋上のアスファルトを踏んでいた。

(屋上?)

前の学校でも、よくあった。
ぼうっとしていたら、いつの間にか屋上で空を眺めていた、とか。


「──…曇ってるし」

何とムードに欠ける。

(寂しいなぁ)



「何で転校なんか…」


そう考えたら何だか悲しくなってきて、悔しくなってきて、涙が滲んだ。

視界が揺れる。







トン。

「…んっ」




踵に何か固いものが勢いをつけて当たる。



「…ラジコン?」


だった。


< 9 / 50 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop