【さみ短3】初恋浪漫譚
「もうすぐ陽が沈むよ。太陽があんなに地平線ギリギリ」

「陽が暮れるのが早くなったよなぁ。すっかり秋って感じだぜ」

「……あのさ、お兄ちゃん」

やっぱり自分の気持ちを伝えるって緊張する。

「何だよ」



「私ね……お兄ちゃんのことが好きだったの。小さい頃からずっと」



──カタン、カタン。
沈黙の間に響く観覧車の音が、やけに大きく聞こえる。

「俺たち、なんで兄妹なんだろうな」

「お兄ちゃん……?」

同じだ、私が思っていたことと。

「神楽、今度は俺の最後のお願い聞いてくれねぇか?」

「いいよ」


「……キスさせてくれ」


「うん」

観覧車の窓から差し込む夕日がキラキラと宝石のように輝いていた。
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