【完結】─続─泣き虫姫のご主人様





 ポン



 それと同時に、稚尋はあたしの頭を撫でた。






 くしゃくしゃと長い黒髪を掻き撫でるその仕種が、とても気持ち良かった。




 すごく安心する。







 だからずっと、この人のそばに居たい。





 そう思うの。





 聖夜には悪いけど、あたしは……あたしには……この人への愛が大事なの。









 ちょっぴり意地悪だけど、それは単に愛情の裏返しで。





 本当は、あたしの事を一番に考えてくれる、優しい人。











「……好きだよ、稚尋」





 あなたの側ではあたし、ちゃんと素直な女の子でいられるから…………。







「俺も好きだよ」






 ちゃんと、気持ちを確かめてれば、離れ離れになることもないと思うし。










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