【完結】─続─泣き虫姫のご主人様




 こんなに余裕がない稚尋を見るのも、珍しかった。





 そして澪にも稚尋の気持ちはよくわかる。






 あたしの場合、幼なじみで稚尋の事が好きな雛がいて。




 あたしの知らない稚尋を沢山知ってて、あたしよりずっと稚尋にとって大切だった人で。



 稚尋の全てを知ってる雛子




 稚尋の全ては知らない自分






 そんな関係に、勝手に嫉妬した。



 そんなわかりきった、変えられない事実に苛立ってる自分にすら苛立って、情けなくなって………




 どうしていいか、わからなくなってしまう。









 そんな事を経験した澪だからこそ、稚尋の気持ちは痛い程わかる。










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