【完結】─続─泣き虫姫のご主人様







 あたし達、強がっているだけで、本当は弱虫なのかもね。




 お互いに。









「澪……」



「……稚尋」





 お互いの存在を確かめるかのように、ゆっくり、優しく重なる二つの唇。



 この感触も。


 この熱も。





 全部、手放したくなんかない。








「……っ」



 涙が溢れたのなら、拭えばいい。




「大好き」




 笑顔が溢れたのなら、守ればいい。











 二人の距離が離れたのなら。



「………っ」





「……ごめんな、澪。こんな弱くて、さ……」






 また、近づけばいいだけだ。







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