【完結】─続─泣き虫姫のご主人様
「……っんなの………不公平だよ……」
ポタ……
溢れて留まる事を知らない悲しみ。
それがどれほどつらいか。
どれほど惨めな事か。
母親に逆らう事も出来ず、ただ養ってもらうしか能のない自分。
地面の土が悲しみを吸ってくれると言うのなら、僕は幾度となく涙を流そう。
それが……
救いの手だとするならば。
―今夜はちゃんと、兄さんの部屋に戻ろう―
公園の土に染み込んでいく悲しみの後に目を向けながら、そんな事を思った。
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