【完結】─続─泣き虫姫のご主人様
そんな稚尋に少々いらつきながらも、目の前で何も知らずに眠る自身の兄を弥生は無表情で見つめた。
どうして……
どうして同じ人間なのに。
同じ血が流れているっていうのに。
こんなにもお互い、生き方が違うのだろうか。
「っくしゅん……」
その行動で、弥生は一気に現実に引き戻された。
稚尋のちょっとしたくしゃみ。
まぁ、考えて見れば、そんな薄手の格好をしているからだとは思うのだが。
…………………。
.