【完結】─続─泣き虫姫のご主人様






 そんな稚尋に少々いらつきながらも、目の前で何も知らずに眠る自身の兄を弥生は無表情で見つめた。





 どうして……







 どうして同じ人間なのに。


 同じ血が流れているっていうのに。














 こんなにもお互い、生き方が違うのだろうか。

















「っくしゅん……」




 その行動で、弥生は一気に現実に引き戻された。






 稚尋のちょっとしたくしゃみ。




 まぁ、考えて見れば、そんな薄手の格好をしているからだとは思うのだが。








 …………………。







< 143 / 256 >

この作品をシェア

pagetop