【完結】─続─泣き虫姫のご主人様
そう決めてたの。
「無理ですよ」
弥生は情けなさそうに苦笑した。
どうしてそんな顔するんだろう。
濁った瞳は何も映さないっていうのに……………。
「なんで……」
「じゃあ聞きますけど。澪さん、僕の好きな人……誰だと思ってるんですか?」
え?
「ずっと一緒にいた人って事は……幼なじみとか?」
首を傾げる澪を見て、弥生は呆れたようにため息をついた。
「……僕の幼なじみと言えば?」
「え? 弥生君の幼なじみ……」
ひらめいた。
しかしその該当した人物とは。
「嘘でしょ…………?」
あたしもよく知ってる。
・・・
あの子
「嘘なんてつきませんよ! だから、無理なんです」
弥生はうなだれた。
言えない。
言える訳がない。
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