【完結】─続─泣き虫姫のご主人様
俺は澪に出会わなかったら、一体今頃何をしていたんだろうか……
「うるせー! なんだよ、嘘つき弱虫弥生くん?」
「なっ!?」
「お前、澪が好きだとか言っておきながら、本当は雛が好きなくせに」
俺が雛といて、何度質の悪い嫌がらせをされた事か………
あぁ、今思い出しても腹が立つ。
そんなに好きなら告白すりゃあいいのに。
「なっなななな!? なんで兄さんが知ってるんだよ!?」
弥生は唐突に唯一の秘密がばれていたことを知り、目を見開きながら驚いた。
そんな弟を見れば、自分が優位に立った気分になる。
「お前、昔からわかりやすすぎだって」
あれ。
なんでだ。
全然、いらついてない。
なんで。
なんで。
「はぁぁぁ!? まじ、ありえねぇ……」
なんで、弥生をいじめるのが
「ばーか」
喧嘩をするのが
「絶対誰にも言わないでよね。あぁ……澪さんにも口止めしておいて」
楽しいんだろう……。
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