【完結】─続─泣き虫姫のご主人様






「はい! それでは皆さん、今配ったプリントを見て下さい」


 ある日のLHR中、事は始まった。



 担任から全員に配られたプリントに目を通す。





 そこに書かれている内容は。





【一年,レクリエーション宿泊体験!】


 と記した、学校に一年生が泊まる行事の説明だった。










 その記載に、澪はため息をついた。


 あまり、気持ちが進む話ではなかった。


 中学と違って友達は沢山出来たし、雛の聖夜に関する事を聞き出すにはもってこいの行事かも知れない。




 だけど……



 夜の学校っていうのは気が引ける。


 隣では、聖夜が何やら楽しそうに口元を緩めていた。





 彼の顔を見た途端、澪は思わず顔を背けてしまった。

 急に恥ずかしくなったからだ。




 “聖夜は澪ちゃんが好きなんだよ!!!”


 あの日の、雛子の言葉を思い出してしまったからだ。

 勿論、それを鵜呑みにしている訳ではない。


 それでもやっぱり、変に意識してしまう。







 途端に、耳元で誰かが言葉を囁いた。








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