【完結】─続─泣き虫姫のご主人様
「でさー、澪ちゃんは結局稚尋のどこが好きになった訳ー?」
本題はなぜか私と稚尋の話だった。
本当なら、雛子の恋バナも聞きたかった所だけど。
「いや、好きになった訳じゃないよー」
「あれ? 違った?」
「うん、最初にかなーり強引に攻めてきたのはあの人ですから! 実はけっこう女々しいんだよ?」
私の気持ちなんか完全に無視しちゃってさ。
あげ句の果てには出会い様に私のファーストキスまで奪っていってさ。
本当、第一印象最悪だった。
その割に、意外と過去をずるずると引きずってたりして。
よく言えば、一途という事になるのだけれど。
「んまぁー、いいんじゃない? 女々しいって言っても結局は全部澪ちゃんの為になってるんだからさ?」
「ま、まぁね」
ハハハと苦し紛れの苦笑いを浮かべていた。
その時だ。
ガシッ
あ、あれ?
この感じ……前にもあったような……デジャヴ?
「だぁれが女々しいってぇー? 泣き虫澪ちゃん?」
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