【完結】─続─泣き虫姫のご主人様






 こんなの、雛らしくない。



 雛は誰より可愛くて
 誰より強くって
 元気で……











「どうもしない」



 1番、素直な筈なのに。









「そ? なんか泣きそうだったから。」



 そう言って、柔らかい笑顔で微笑む聖夜と目を合わせないようにうつむくと、パシリと頭上の手を払った。






「それより。好きなら告白しちゃえばいいのに」




「無理だろ」


 雛子の言葉に聖夜は渇いた笑いを浮かべた。







「なんで?」




「あいつには……桜がいる。あいつが幸せなら、それでいいかも……なんて俺が思ってるから」





 は?



「……から」



「何?」



「だから……告白して関係崩すより、今のまま自分以外に向けられる笑顔を見続けていようって……本気で思ってる訳?」




 話せば話す程、頭の中が焼き切れて何も考えられなくなってくる。




 馬鹿じゃないの……そんなの……













 そんなの………………。









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