【完結】─続─泣き虫姫のご主人様





 明確な理由はわからなかったが、ただひとつだけ。





 弥生に対する自分の態度が変わっていたのは明らかだった。












〔あ……はい〕



 声が震えている。


 それはこちらがわからでもはっきりわかる事が出来た。



 未だ完璧に声変わりを終えていない幼さの残る声が、小さく雛子の耳に届いた。









「いきなりどうしたの、メールなんて。今日はあんたの兄貴も一緒に学年行事! 聞いてなかったの?」




〔い、いや……知ってた〕




「それなら、何?」



 何故。


 こんな突き刺さるような冷たい言葉を選んでしまうのか。


 彼が傷つくことはわかっているのに。

 口から溢れる思いは留まることを知らなかった。












〔雛子……〕



 遠慮がちなその声に、思わずため息がでた。






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