【完結】─続─泣き虫姫のご主人様




 いつもの自分じゃいられない。




 馬鹿みたいにマジになって、焦って、単純なことで舞い上がって……。






 こんなの、自分らしくない。










 “桜 弥生”らしくない。
















「お金なら心配しなくていいよ。知ってるだろ? 家」




 桜家は、父親が病院を経営している。




 だから……。










「そういうことを言ってるんじゃないの! 雛をバカにしてるの?」






「いや、別に……」










 昔から、勉強ばかりしてきた僕。



 僕は、世間知らずのまま育ってしまった。










 周りとも、うまく馴染めないのが現実だった。







 このままじゃ……本当に誰もいなくなってしまう。










 それが恐ろしくて、つい自分にガードを張ってしまう。



 そしてそれが、他人を引き離してしまう。















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