【完結】─続─泣き虫姫のご主人様
あたしには……全くわからない経験だった。
両親からは割と大切に育てられてきた方だし。
それが当然の事だとも思っていた。
その間にも、稚尋は苦しんでいたのにね。
「……っ……ひっ」
〔澪、泣かないの!〕
「うぅっ……冬ちゃん」
またまた涙腺崩壊。
本当、これだけは成長しないんだから。
自分でも呆れるほどに。
そんな澪に、冬歌は冷静な声で言った。
自分が初めて他人に稚尋を預けてもいいと思った……澪に。
.