【完結】─続─泣き虫姫のご主人様







 はぁ。




 焦るあたしにふってきた、稚尋のため息。







 しかしそれはあたしに向けられたものではなかった。





 グイッ





 稚尋が弥生君の腕に手をかけた。





 弥生君を見る瞳はとても冷たく、まるで氷のようだった―……。














「弥生、澪から離れろ」





 グッ



 弥生君の腕を掴む稚尋の指に力が入った。









 フッ


 その行動に、弥生は気味の悪い笑顔を向けた。







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