【完結】─続─泣き虫姫のご主人様

★出来心は下心?









「弥生……君? 何言って……」





 涙が零れそうになる。


 いったいなんだって言うの?




 稚尋はただ、苦い顔をしているだけだった。







「僕の彼女になった方が澪さんは幸せになれる……僕は兄さんみたいに傷つけたり、しない」





「澪を放せ、弥生」






 ポタッ



 途端、澪の瞳から一粒の涙が零れ落ちた。




 その涙が弥生の腕に落ち、弥生は自身の腕を凝視した。






 そして言った。





「泣かせるつもりはなかったんだけど……な。……まぁいいや」









 フワッ



 そして、あたしは弥生君の腕から解放された。





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