【完結】─続─泣き虫姫のご主人様






 * * *



「なぁ姫?」


 隣には稚尋。


 恋人同士になったって言っても、別に態度が急変する訳でもない。


 ただ、愛を受け入れるだけ。






「その姫って呼び方やめないと、返事しない」



「無理。もう染み付いちゃったもん」




 ニカッ


 眩しい笑みがあたしを魅了する。


 まったく………。



「そう言えば、高校入っても……稚尋の人気凄いね?」



 そのおかげで、あたしの知名度まで上がっちゃったし。




「まぁな。正直疲れるけど」




「そうなの?」



 あたしが稚尋の顔を不思議そうに覗き込むと、突然。




 グイッ



 稚尋に腕を掴まれた。












< 7 / 256 >

この作品をシェア

pagetop