【短】雨の日の出来事
「……暇だなぁ」
多分まだ10分くらいしかたってない。
でも皆帰っちゃったし、部活の人は部活だし。
一人で何もしないと、余計感じる時間の長さ。
ただ靴箱の前で座って何もしない。
あぁー暇だな……
無意識にため息がこぼれる。
「あれ、莉子(リコ)じゃん」
突然上から降ってきた声の主は、
「え!?あ、涼(リョウ)くん!」
同じクラスの男の子。
「こんな中途半端な時間に……どうしたの?」
「お前こそ、何やってんだよ」
涼くんは不思議そうに私を見て質問返し。
「私は、バスの時間まで待ってるの」
「あー今日雨だもんな」
そういうと涼くんは、私の隣に座った。
「……俺も、人待ってるからそれまで一緒していい?」
「え、うん全然いいよ」
「サンキュ」
そう言って、にひっとこちらを向いて笑った涼くん。
突然の笑顔に、思わずドキッとしてしまう。
笑った顔可愛い……
……なーんて、心で思った一瞬のことは、深く考えないようにした。
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