タイムリミットはキスするまで
「タイムアップか…」
はぁと溜め息をつき、靴をはいて外を出れば
「そんなに悲しまなくても、ここにいるから」
「千尋っ」
門により掛かってニヤリと笑う幼なじみの間宮 千尋(マミヤ チヒロ)の姿があった。
「最悪…騙したんだ…」
「別に騙してないし。琴音が遅すぎるから先に外で待ってようと思っただけ」
何とも綺麗な顔で、憎たらしい笑みを浮かべた千尋に殴りたい衝動に駆られた。
ぷるぷると怒りに震えている琴音を面白げに見た後、「あ」と声を漏らす千尋。