タイムリミットはキスするまで



その姿にひと睨みしてやってから、よろよろと自分の席に座る。


ふうっと一息ついて机の上で頬杖をつき、千尋の方を(さりげなく)ちらりと見る。




「何あんなに花、撒き散らしてんだか…」


「なーに拗ねてんのよ琴音」


「っ…桃花かー…」




前の席にいきなりすとんっと座った目の前の女の子はあたしの親友。


頭の上のおだんごを作るのがすごく上手で、お洒落でモテるという万々歳な子。




「一番最初と最後のいらなくない?」


「はっ…聞こえてた…?」


「丸聞こえ。心のドア閉めなさいよ。てか誰に話してんの?」


「さぁ?」




首を捻る琴音を変人の目で見る桃花。




「まぁ、そんな事どうでもいいわ。それより…」




どんっと机が思い切り揺れる。



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