タイムリミットはキスするまで
キーン…と教室に余響音。
誰もが目を白黒させていた。
そして、周りから「なんだ?」と目線を向けられる。
それを「おほほ…」とわざとらしい笑い声で誤魔化す桃花。
桃花…なんだか見苦しいよ…
そんな事言えるはずもなく(言ったら絞め殺される)周りをちらっと見た時、
バチリ
女子の奥にいる千尋と目が合う。
色素の薄い双方の瞳が琴音をじっと見ていた。
体温がぐっと上がり、すぐさま逸らす。
その様子を目の前の桃花が考えるような顔をして見ていた。