愛花~アイノハナ~
高台にある宋果学院は自宅から徒歩30分以上、走れば20分掛かる距離にある。
家から大した距離は無いのだが、なんせ急な坂道をのぼるのでそれなりに時間が掛かる。
自転車通学の可能だが案の定この地域は自転車通学が認められていないため自転車は使えない。
つまりいま遅刻しそうな私には歩くしか成す術がないのだ。
そんな通学が面倒臭いのにこの学校に決めたもう一つの大きな理由がある。
それは...学校がある高台からの町の景色。
元々都会と田舎の中間あたりのこの地域は、山もあれば海もあり、昔ながらの商店街もあれば、学生に人気のフアッションブランドの店が入ったフアッションビルやショッピングモールもあるいたって普通な町そのものだった。
そんな町で生まれ育った私はこの町が大好きで、高台からの大好きな町は比べものにならないくらい綺麗だったのだ。
こんな綺麗な景色を毎日見ることができたら...そんな想いのために無理だと言われ続けながら卒業生である兄の竜貴に勉強を教えてもらい少しづつ偏差値を頑張って上げてきたのだ。