ヤンキー彼氏は世界一

そしてインターフォンを鳴らした。







はーい。




ドアが開くと



恋斗にどことなくにている背の高いお父さんが出てきた。



「こんにちは。さあ中に入りなさい。」




中に入り、ソファーに座った。




「君が恋斗の彼女のゆりあちゃんか？」



彼女だということを知っていたことにびっくりした。



「はっはい。柳　ゆりあです」




「恋斗にはもったいないくらいだなあ」



「いやそんなこと。
あのどうして私が彼女だって知ってるんですか？」



「ああ、恋斗の友達の亮くんだったかな、亮くんに聞いたんだよ。」





亮に？？






「あの。恋斗は今どこに？」



私が聞くと、少し顔が曇った。



「恋斗は、、、
今病院に居るんだ。」



「ぇ？病院？」



私は、嫌な予感がした。



「あのバカ息子。
全く親として恥ずかしいよ。
恋斗は昨日から意識を戻さなくてね。
やくざなんかと喧嘩なんて……」




「え？？どおゆうことですか？
恋斗が意識戻らないって……
何があったんですか？」



「昨日、亮くんがあいつを病院に連れきてくれたみたいでね。亮くんから全部聞いたんだ。

１人でやくざのところに乗り込んで、
乱闘になったあげく、
お腹を刺されてしまったみたいなんだ。」




「恋斗。なにしてんのよ！」



わたしは、言葉を失ってしまった。




「亮くんが必死に謝ってきてね。
そして君のことも聞いたんだ。

ホントにこんなにいい友達と、
こんなにいい子が居るのに。

」




わたしは、涙が溢れるばかりだった。





「アイツは、母親が居なくてね、父１人子１人なんだ。私は、仕事にしか愛情をそそぐことができなかった。
その結果がこれなんだ。

アイツにもっと構ってやれば。

ゆりあさん、ホントに迷惑掛けてすまないね」




お父さんは頭を深々と下げた。肩が少し震えてポタポタと涙の雫が床に落ちていた。