秋の日には君と僕。



「…わかった。信じてみるよ」

「本当ですか!?」

「ただし、お試しで…だけど」



―――お試し

その言葉を聞いて彼女は目を見開いた



「だって好きでもない人と本当に付き合うだなんて真っ平じゃないか。だからお試しだよ」



冷たく突き放し好意を薄める
第一、その程度で冷めるような愛は本当のものではないはすだ



「どう?」



俺よりも少し身長の低い彼女と目線を合わせる為に
屈みながらニッコリと笑う

余程あの言葉が衝撃的だったのか
口を真一文字に結んでいる以外に表情が見えない
それでも彼女はこう言ったのだ



「受けて立ちます」



この時俺はいけ好かないと理由で
絶対に好きにならないと心に決めた



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