虹色に輝けば
男のヒミツ
「タオル、使ってね。お風呂入る?」
私は、どうすればいいかが分からなかった。
彼は多分、人間じゃない。
怖いとかじゃなくて、わからないだけ。
「おいで」
私は、魔力に操られたかのように、彼の元へと吸い寄せられた。
優しいからなのか、人間じゃないからなのか。
私には、やはりわからない。
彼の住む家は、屋敷というくらい大きい。
そして、とても広い。
今居るのが、多分彼の部屋。
大きな室内には、いくつも扉がある。
「寒くない?」
私の髪や、洋服をタオルで優しく拭く彼。
私は、ただ頷くだけ。