虹色に輝けば
「まるで、シンデレラのようだね」
クスクスと笑う彼は、やけに綺麗で一瞬見惚れた。
やはり、悪魔のような美しさというのは、間違ってないのかもしれない。
「で、なんで?」
「私、入院してるの。自殺を繰り返すから、閉じ込められてて」
「なるほどね、抜け出してるわけだね。じゃあ、ダミーを置いとくよ」
「ダミー?そんなことが出来るの?」
「一応ね。荷物も取ってあげよう」
不意に、家中に風が吹き荒れた。
笑顔はそのままに、パチンと指を鳴らした。
すると、すぐに荷物が目の前に現れた。
私の荷物に、間違いない。