虹色に輝けば
「すごく好きだった。毎日、その人のことばかり考えてたし、楽しかった。結婚する予定だったの。でもね…それは、淡い夢物語だったんだと、今は思う」
「夢物語?」
「うん。婚約破棄されたのは、式場も決めた後だった。理由は、気まぐれ。まさか本当に、結婚するとは思わなかったってさ。それから、変わっちゃった。死にたくなって、自殺繰り返して、両親に見離されて」
苦笑しながら、リオを見ればひどく切ない表情をしていた。
同情なら、要らないよと、思わず呟いた。