虹色に輝けば



「違うよ、ユキ。ユキは、そんなことがあっても、生きている。すごく頑張ったんだね」






ギュッと強く強く抱きしめられた。
痛いくらいに、強く。
でも、不思議と痛くない。
悪魔なんかじゃ、ないよね。






「死ねなかっただけ。怖いから」



「死は恐怖だよ。安らかに眠る、なんてのは嘘。本当に、怖いんだ」



きっと、何度も人間の死を見てきたから言えるんだと思う。
その言葉は、すごく重かった。




しばらくの沈黙の後、私は口を開いた。



「あのさ…寿命ってどのくらい?」













< 26 / 52 >

この作品をシェア

pagetop