虹色に輝けば
「違うよ、ユキ。ユキは、そんなことがあっても、生きている。すごく頑張ったんだね」
ギュッと強く強く抱きしめられた。
痛いくらいに、強く。
でも、不思議と痛くない。
悪魔なんかじゃ、ないよね。
「死ねなかっただけ。怖いから」
「死は恐怖だよ。安らかに眠る、なんてのは嘘。本当に、怖いんだ」
きっと、何度も人間の死を見てきたから言えるんだと思う。
その言葉は、すごく重かった。
しばらくの沈黙の後、私は口を開いた。
「あのさ…寿命ってどのくらい?」