虹色に輝けば
「茜じゃないの?」
そんな母親の言葉に応えることもなく、歩き出す。
リオは何も言わない、だから私も何も言わなかった。
「僕は、茜もユキも好きだよ」
公園の奥深く、誰も立ち入らないその場所に私達は、いる。
リオの言葉はきっと、さっきの慰め。
それ以上を期待してはいけない。
「私は、必要とされてないの」
そう言って黙っていれば、リオが私の手を握る。
「話して?」
少し冷たい手は、リオの温かさによって、心までも温かくなる気がする。