虹色に輝けば
「私に、お姉ちゃんが居たんだ。私とは違って、頭良いし何でも出来て。だからね、お姉ちゃんに期待してたんだよね、両親は。けど、お姉ちゃんはある日癌だって、宣告されてさ」
言葉を切った。
あの頃のことが、頭をよぎる。
「結局、死んじゃったんだ。それから家族の繋がりは、呆気なく消えてった」
詳しく話すことが、出来なかった。
あの日、お姉ちゃんが死んだ日の両親の鋭い視線。
「ユキは、必要だよ。僕が、必要とするからね。だから、泣かないで」