虹色に輝けば
「キング様、お連れしました」
キング様と呼ばれた人物は、鋭い瞳を持ち長い髪をした男性。
この人は、きっと笑わない。
「さあ、どうぞ」
その奥には、リオがいた。
衰弱したリオが、確かにいた。
「リオ?」
「ユキ…約束破ったらダメ…だって」
「リオこそ、帰って来るって言ったのに」
私は、横たわるリオに抱き付いた。
その身体は、氷のように冷たかった。
「リオ、誰か人間の霊を食べなさい」
キング様は、そう口を開いた。
早くしないと、死ぬぞと付け足して。
「いいえ、出来ません」
リオは、きっぱりと断った。